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【禁聞】砂漠に大量の汚泥! 黄河流入の恐れも

2014年09月11日

【禁聞】砂漠に大量の汚泥! 黄河流入の恐れも

 

【新唐人2014年9月11日】内モンゴル自治区と寧夏回族自治区にかけて広がるトングリ砂漠は中国で4番目に大きい砂漠です。もともと、地下水や希少植物が豊富で、遊牧民が先祖代々住んでいました。しかし現在、彼らは相次いで砂漠を離れています。代わりに出現したのが化学工場や悪臭を放つ大量の汚泥(おでい)です。

 

トングリ砂漠とはモンゴル語で、「天のように限りなく広がる砂漠」を意味しています。しかし、美しかったトングリ砂漠はすっかり変わり果てました。近年、工業団地が建設され、化学工業企業が大量に進出したからです。

 

工業団地は地元政府から「砂漠で奇跡を作った立役者」と称されていますが、毎日、汚染された廃水を砂漠に垂れ流しています。付近の遊牧民にとって命綱である地下水も、工場によって無秩序に使われたため、トングリ砂漠は環境破壊と水不足に直面しました。ここに見られる黒い沼は、進出企業が汚水を流した所です。「汚水処理施設」という立派な名前さえあります。

 

「新京報」の取材によると、工場が流した未処理の汚水は、自然に蒸発して、汚泥となります。その汚泥を工場はそのまま砂漠に埋めてしまいます。汚泥の沼は一日中、鼻につく悪臭を放っていました。一部の工場は「汚水処理施設」を作るのも面倒で、ゴム管を通じて直接、汚水を砂漠の中に流し込んでいます。結果、深刻な汚染が起こりました。

 

民間水専門家「楽水行」発起人 張俊峰氏

「砂漠は透水性の強い地質です。何を埋めても、蒸発して空気に入ります。空気に入ると大気の作用で、自然の循環システムに入るので、水汚染だけでなく、大気汚染も起こします。また雨などにより、地面に戻るので、生態環境全体に大きな影響を与えます」

 

また専門家は、工業団地の廃水が地下に浸透して、寧夏回族自治区中衛(ちゅうえい)市の地下飲用水も汚染していると指摘しました。「法制日報」の去年の報道によると、工業団地から2キロほど離れた遊牧民の飲み水から、国の基準の410倍に達する発がん物質の石炭酸が検出されました。さらに、基準を超える大腸菌群や硫化物も検出されています。しかも、砂漠の東南に位置する黄河はトングリ砂漠を流れるため、やはり汚染の危機にさらされています。

 

民間水専門家「楽水行」発起人 張俊峰氏

「汚染水が浸透すれば、地下水に入ります。地下水は他の水体系に入るので、下流でいったん流動すれば、汚染物質が拡散します。下流の遠くない所に蘭州市などの貯水池があり、影響は長期的に続きます」

 

多くのネットユーザーは、工場により汚染された砂塵(さじん)が強風に乗って各地に広がることを恐れています。

 

環境汚染専門家 王軍氏

「砂に毒があれば最悪です。人体への危害が大きくなります。化学物質が目や鼻、肺、呼吸器系に入ったあと、毒素を放出すれば、その影響は…ゆっくりであっても、その危険は存在するはずです」

 

実は2010年に、砂漠の汚染はメディアによって暴露されていました。そのあと4年間、各メディアの報道が続きましたが、当局は「恐らく管理が行き届いていなかった」の一言で済ませてきました。

 

在米中国人作家 何哲氏

「工業団地は地方政府の財政収入になります。やめれば収入が減ります。地方政府はお金がないから、汚染企業を保護するのです」

 

環境汚染専門家 王軍氏

「政府は断固として環境を守ると言っていますが、本心は違います。逆に汚染を隠した可能性もあります。中国では当たり前のことです。汚染企業は当局と結託しています」

 

トングリ砂漠の深刻な汚染は、中国でも大きな反響を呼んでいます。ネットには、モラルを失った企業への罵声や官業の癒着・政府の怠慢への不満などがあふれていましたが、それ以上に、次の世代への影響を案じる声が目立ちました。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/09/10/a1136981.html(中国語)

(翻訳/河合 ナレーター/佐藤 映像編集/李)

 

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